今回は、こんな疑問に答えます。
ファンは、クラブが発行するトークンを保有することで、さまざまな特典や権利が与えられます。

ファントークンを既存のもので表現すると、「ファンクラブ」と「クラウドファンディング」と「投資」を掛け合わせたイメージです。
この記事ではサッカー界の「常識」になろうとしている「ファントークン」について、国内外の情報を詳しく紹介します。
この記事の内容
- ファントークンの詳細
- バルセロナやユベントスも提携し、ヨーロッパで圧倒的なシェアを持つ「Socios.com」について。
- ファントークンは投資対象にもなる。
- 国内のファントークンについて
この記事を書いている私はこんな人です。
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サッカーのファントークンとは何か

「ファントークン」とは、スポーツクラブなどが発行するブロックチェーン技術を用いた、トークンのことをいいます。
ファンは、クラブが発行するトークンを所有することにより、さまざまな特典や権利を得ることができます。
特典や権利の例
- チームの方針決定に関する投票権
- 限定グッズや記念品の獲得権
- VIPシートの利用権
- 選手との交流
ファントークンの普及が進んでいるヨーロッパサッカーでは、トークンを暗号資産(仮想通貨)として扱うことが主流。
日本では、ファントークンを暗号資産(仮想通貨)として扱うと、さまざまな金融上の規制対象となるため、トークンをそのように扱うクラブは今のところ見当たりません。
ファントークンはサッカークラブとファンの新しい関係
ファントークンは、クラブとファンやサポーターをこれまでの関係から、さらに一歩踏み込んだ関係へと進めるツールです。
J3の「いわきFC」のファントークンの例を見ましょう。

ファントークンの最大の特徴は、クラブの意思決定に関われること。
トークンの保有数が多いほど、クラブ運営や企画に対する影響力も大きくなります。
これまでのファンクラブよりも、「好きなクラブを支える一員」という意識も強く持てるでしょう。
投資対象として購入する人もいる。一方でアンチも。

多くの場合、ファントークンは転売が可能です。
ヨーロッパでは、暗号資産(仮想通貨)と紐づいてトークンが発行されているケースが多い。
そのため、クラブや暗号資産(仮想通貨)の成長性を見込んで、サッカーファン以外の人が「投資目的」でファントークンを購入するケースもあります。
クラブとしても、サッカーファン以外からも、資金を得ることができるメリットは大きいでしょう。
一方で、ヨーロッパではクラブがファントークンの導入を積極的に進めることに、一部のファンからは批判的な声も出ているようです。
投資対象ともなるトークンに対して、一部の純粋なサッカーファンが嫌悪感を示しています。
一部にアンチがいるのは事実ですが、現状を見ると、サッカークラブの「ファントークン」の導入は今後さらに進むと筆者は考えています。
バルセロナもユベントスも提携「Socios.com」

2022年4月現在、世界のファントークンの中心にいるのは「Socios.com」です。
「Socios.com」がファントークンを世界に普及させたといっても過言ではないでしょう。
「Socios.com」とは一体どのようなサービスなのか?どのように使うのか?を解説します。
世界の名だたるビッククラブと提携・さまざまなスポーツのトークンを発行
「Socios.com」には、世界の著名なビッククラブが加入しています。
下の画像をご覧ください。「Socios.com」でファントークンを発行しているクラブのエンブレムです。

バルセロナ、ユベントス、パリサンジェルマン、ACミラン、ASローマ、アトレティコマドリード、マンチェスターシティ・・・
欧州のクラブだけではなく、リバープレートやパルメイラスのような南米の名門クラブ、イタリア代表やUEFA(欧州サッカー連盟)までが、パートナーシップを結んでいます。
F1や総合格闘技のトークンも発行
「Socios.com」は、サッカークラブだけのファントークンを発行しているのではありません。
F1のSAUBERや総合格闘技のUFCのトークンを発行。
また、バスケットボール「NBA」、アイスホッケー「NHL」とも提携しています(ファントークンの発行はなし)。
まさに世界規模のサービスとなっているのです。
仮想通貨チリーズ(Chiliz/CHZ)を基軸通貨としている
「Socios.com」の大きな特徴の一つは、仮想通貨チリーズ(Chiliz/CHZ)を基軸通貨としている点です。
ファントークンの入手には、仮想通貨チリーズ(Chiliz/CHZ)の購入が必要です。
仮想通貨の購入と聞いて、「面倒」と思った方もいるかもしれませんが、仮想通貨チリーズ(Chiliz/CHZ)は、「Socios.com」のサイト内で「クレジットカード決済」でかんたんに購入できます。
また、国内の仮想通貨取引所のコインチェックは、NFTマーケットプレイスで「Chiliz関連トークンの取扱い」を検討すると発表しています。
現在は、国内の仮想通貨取引所で取り扱いがない仮想通貨チリーズ(Chiliz/CHZ)ですが、ファントークンが世界規模で普及している点を考えると、今後コインチェックなどの国内取引所に上場される可能性もあるでしょう。

2022年4月現在、仮想通貨チリーズ(Chiliz/CHZ)の購入方法は以下の2通りです。
- 「Socios.com」のサイト内で「クレジットカード決済」で購入する。
- BINANCE(バイナンス)などの海外の仮想通貨取引所で購入する。
ファントークンの価格はチームによって異なる
ファントークンの価格は一律ではありません。
チームの人気や運営状況に左右されて変動します。

例えば、上の画像、パリサンジェルマンのトークンの価格は「65.25 $CHZ」。
それに対し、その上のクラブチームのトークンの価格は「3.99 $CHZ」。
世界屈指の人気クラブだけあって、価格が高いことがわかります。
ファントークンの保有目的は、大きく分けると2通り
- 好きなクラブ・応援しているクラブのトークンを持つ。
- 投資目的でトークンを持つ。
投資目的で保有する場合は、クラブの成績や運営状況、将来性を見越してトークンを保有します。値上がりしたら売却して利益を得ることも可能です。
株主が株を保有している会社の運営を応援するように、トークンを保有しているスポーツクラブを応援するというかたちが今後増えてくるかもしれません。
「Socios.com」のファントークンで何ができるの?
「Socios.com」のファントークンを保有してできる主なことは以下の通りです。
- チームの運営などに関する投票
- 公式サイトでグッズを購入した際のキャッシュバック
- トークン保有者専用のゲームやチャット機能
- イベントの参加券
下は、イタリアの人気クラブ「ナポリ」の投票ページです。

少し画像が分かりづらいですが、「1月の最優秀選手を選びましょう」「ナポリが毎年作成するクリスマスビデオに出演してほしい選手を選びましょう!」などの投票です。
他には「チームスローガンの投票」、「ベストゴールの投票」など、さまざまな投票があります。
このような投票に関われるのは、ファンとしては嬉しいですよね。
このようにトークンを保有し、これまで以上に応援するクラブに関わることができる。
これがサッカーファンにとってクラブトークンを保有する一番の醍醐味です。
「Socios.com」の登録にはお金はかかりません。
興味のある方は、こちらからアプリをダウンロードして、まずは登録をしましょう。
日本のファントークンをけん引する「FiNANCiE(フィナンシェ)」
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世界のファントークンの中心にいるのがSocios.comであれば、日本のファントークンの中心にいるのは、FiNANCiE(フィナンシェ)です。
FiNANCiE(フィナンシェ)は、日本のスポーツクラブやスポーツ選手のファントークンを発行しています。
FiNANCiE(フィナンシェ)が発行しているファントークンの一部
- 信州ブレイブウォリアーズ(Bリーグ)
- レバンガ北海道(Bリーグ)
- BCリーグ(プロ野球独立リーグ)
- 湘南ベルマーレ・アビスパ福岡・いわきFC(Jリーグ)
- ヴェルスパ大分(JFL)
- 八木克勝(パラ卓球選手)
- 渡井理己(Jリーガー)
スポーツ関連以外にも、アイドル、バーチャルタレントやシューズブランドのファントークンも発行しています。
ファントークンの認知度は、国内でも徐々にあがっており、今後FiNANCiE(フィナンシェ)を通じてトークンを発行するスポーツクラブ・選手・企業は増えていくと予想されます。

FiNANCiE(フィナンシェ)のファントークンで、できること
FiNANCiE(フィナンシェ)のファントークンを保有することで、行えることは以下の通り。
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チームの投票企画への参加・選手やチームグッズのプレゼント・特別な企画への参加・トークン保有者コミュニティへの参加・トークンの売却。
FiNANCiEのファントークンで行える内容は、Socios.comと大きくは変わりません。
Socios.comと違う点は、トークンは暗号資産(仮想通貨)ではないこと。
暗号資産(仮想通貨)ではありませんが、トークンの売却は可能です。チームやトークンに人気がでれば、トークンを購入時よりも高値で売却できる可能性もあります。
ヴェルスパ大分のクラブトークン

FiNANCiE(フィナンシェ)が発行しているファントークンの具体例として、JFL所属のサッカークラブ・「ヴェルスパ大分」のトークンを紹介します。
ヴェルスパ大分は、クラブのビジョンとして以下の3点を掲げています。
- 世界を見据えたキャリアアップ
- 地元の文化や伝統産業の発信
- ブランド価値の向上
トークンの売り上げは、上記3つの目標に活用していくとのことです。
ヴェルスパ大分のトークンの仕組みは以下の通り。

トークンの購入は、1ptが1円として換算され、安いもので1万pt、高いもので50万pt分。
特典としては、投票企画や抽選特典への参加、VIP席での試合観戦、全選手サイン入りのユニフォームなどがあります。
投票企画や抽選特典の具体例としては以下の内容があがっています。
- ポスター起用選手の選定
- 新しいグッズの企画開発
- 選手のキャッチフレーズ決め
- 選手やチーム関係者との交流
- 記念デジタルアイテムの配布
- サイン入りアイテムのプレゼント
ヴェルスパ大分のファンには、魅力十分の特典です。
また、ヴェルスパ大分のビジョンや成長性に可能性があると感じれば、「ヴェルスパ大分のトークンを投資目的で買う」という選択肢もあります。
ヴェルスパトークンの概要については、FiNANCiEとヴェルスパ大分の関係者が出席したオンライン説明会の動画があります。こちらをご覧になると、理解が深まるでしょう。
まとめ・ファントークンの今後
ファントークンのまとめです。
ファントークンとは・・・
- スポーツクラブなどが発行するブロックチェーン技術を用いた、トークンのことである。
- トークンを保有すると、チームの方針決定に関する投票権やグッズ記念品の贈呈、選手との交流などの特典がある。
- トークン自体にも価値があり、投資目的で購入する選択肢もある。
- 世界的には、「Socios.com」が有名であり、国内では「FiNANCiE(フィナンシェ)」が積極的な活動を行っている。
国内外で、急速な拡大を見せているファントークン。
今後もさらにスポーツ分野を中心に拡大していくと予想されます。
国内ではまだ認知度が低いですが、スポーツファンであれば、今のうちから試しに購入しても損はないでしょう。
認知度の低いうちに購入したトークンが値上がり・・なんてこともあるかもしれません。